敵を知り、己を知れば… 「はやぶさ2」が教えてくれたこと
地球に帰還しカプセルを分離した小惑星探査機「はやぶさ2」の想像図と、別の小惑星への旅立ちを喜ぶ運用メンバー(いずれもJAXA提供)

 探査機「はやぶさ2」が6年間の旅を終えて12月6日、小惑星の物質を詰め込んだカプセルを地球に届けた。人類初となった小惑星の地下物質の採取など、果敢な挑戦は軒並み成功。10年前、トラブルを重ねた初代「はやぶさ」が満身創痍で帰還したのとは好対照に、今回の52億キロの順調な行程は過去の経験を生かし、日本の探査技術の高水準を世界に示した。背景には、状況を冷静に見極め、能力を研ぎ澄ませて挑戦を続けた運用チームの奮闘があった。